夕暮れ迫る駅のホームは、帰りの人々の波にのまれるように外に押し出された。

 上りホームの改札口を出た階段の下。その場所で私は律の帰りを待っていた。


 どうしても、どうしても会いたかった。

 どうしても今日、会いたかった。

 遠慮なんかしたくない、

 私が律を待ちたいんだ。

 もう一度、しっかり今の私の想いを伝えたいんだ。
 
 そうしたら、このすれ違ってしまったような気持ちも、なくなるんじゃないかって思った。