「……美耶、美耶! 次の講義、移動だよ」

「!」

 その言葉に驚き飛び起きた。


「……ハルカ……」

「美耶、大丈夫? ずっと寝てたじゃん」

「あー……うん」

「律先輩と何かあった?」

「え……」

「最近サークルにも顔出さないし、いつも浮かない顔してるし」

「……なんかね。難しい。上手く距離がとれないというか、すれ違ってばっかりな気がして」

「朝は? 毎朝、律先輩に会うために早起きしてるんでしょ?」

「うん。でもそれが、律もいつも眠そうで、疲れているのがわかるんだ」

 私は重い体を無理に起こすと、講堂を出るために荷物をまとめた。