「どうしたの? こんなに早く帰ってくるなんて! すごい偶然でビックリした!」

「そんな興奮するなって。さっきメールしたのに返事がないから帰ろうと思ってたんだ」

「えっ! うそ! 気付かなかった!」

 私は慌ててスマホを取り出すと、確かに律からのメールがあった。

『今日は早く帰るよ』


 今、目の前に律がいるのに、このメールの言葉が嬉しくて飛び上がってしまいそうだった。

「来週からまた忙しくなりそうだから、今日は早めに帰って来たんだ」

「そうなんだ……」

 また、一緒に居られる時間が減っちゃうのかな……。

 そう思っただけで、何とも言えない切なさに襲われた。