毎朝、同じ時間で目が覚める。

 無意識に手を伸ばしたテレビのリモコンは、なんのためらいもなく同じボタンを押した。聴こえてくるテーマソングも、聞こえてくる元気な声も、何も変わらない毎日の始まりを知らせてくれる。

 涙で目覚める毎日は、私には先の見えない道のように、怖くて、苦しくて、悲しくて、どうしたらいいのかも解らない。
 パジャマで涙を拭うと、ベッドサイドに置かれたペットボトルの水を一気に飲んだ。


「はぁ……」

 あれからもう、1年も経つのに……。

「そっか。あれからもう1年か……」

 自分自身に確認するように言葉を吐いた。