「そうめんって、ずっと食べていると飽きてくるんですが、こんなにたくさんトッピングがあったら最後まで楽しく食べられそうです」
「見た目も食欲に影響してくるからな。今まで、料理のかわいさは意識してこなかったんだが……。女性には大事なのだろう?」
確かに、それは大事なことだ。おいしさはもちろん、料理の見た目の美しさでときめいたり、心が華やいだりする。食べる過程でのときめきって、女性には必要なことだよね。
「はい! 見た目が素敵だったらそれだけでテンションが上がってお腹がすきます。食べ物の見た目でときめくのって、スイーツがほとんどだと思っていたんですけど、そうめんでもできるんですね。一心さん、すごいです」
でも、一心さんはどこでそんな女心を学んだのだろう。響さんかな?
興奮ぎみの感想を静かに聞いていた一心さんは、安心したように表情をゆるめた。
「そこまで喜んでもらえたなら、このメニューは正式採用してよさそうだな」
「もちろんです。あ……、そろそろいただいてもいいですか?」
「ああ。味のほうも確認してくれ」
「はい。しっかり味わいますね」
トッピングと一緒にそうめんを味わうのは、新しい感覚だった。次はどれにしようかな、と選んで、つゆにつけたそうめんと一緒に食べる。ざるに盛られた天ぷらうどんを食べるときの感覚に近いかも。
そうめんが夏野菜とこんなに合うというのもびっくりだったし、肉巻きおにぎりの濃い味つけと、さっぱりしたそうめんが相性バツグンだった。
「夏野菜は、それぞれ違った調理法なんですね」
オクラは生だったけれど、とうもろこしはゆでてあったし、パプリカとアスパラガスには焼き目がついている。それがまた、それぞれ違った食感で楽しい。
「ああ。味つけをしていないから、素材の味が増す方法で火を通さないとな」
私だったら面倒で一気に焼くかゆでるかしてしまうだろう。ちょっとした手間を惜しまないのが一心さんらしいし、そうめんのつゆが薄まったとき用に、陶器の水差しに注ぎ足し用のつゆが用意してあるのもうれしい心配りだ。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
完食されたお膳を見て、一心さんは「おそまつさまでした」と口角を上げた。
「見た目も食欲に影響してくるからな。今まで、料理のかわいさは意識してこなかったんだが……。女性には大事なのだろう?」
確かに、それは大事なことだ。おいしさはもちろん、料理の見た目の美しさでときめいたり、心が華やいだりする。食べる過程でのときめきって、女性には必要なことだよね。
「はい! 見た目が素敵だったらそれだけでテンションが上がってお腹がすきます。食べ物の見た目でときめくのって、スイーツがほとんどだと思っていたんですけど、そうめんでもできるんですね。一心さん、すごいです」
でも、一心さんはどこでそんな女心を学んだのだろう。響さんかな?
興奮ぎみの感想を静かに聞いていた一心さんは、安心したように表情をゆるめた。
「そこまで喜んでもらえたなら、このメニューは正式採用してよさそうだな」
「もちろんです。あ……、そろそろいただいてもいいですか?」
「ああ。味のほうも確認してくれ」
「はい。しっかり味わいますね」
トッピングと一緒にそうめんを味わうのは、新しい感覚だった。次はどれにしようかな、と選んで、つゆにつけたそうめんと一緒に食べる。ざるに盛られた天ぷらうどんを食べるときの感覚に近いかも。
そうめんが夏野菜とこんなに合うというのもびっくりだったし、肉巻きおにぎりの濃い味つけと、さっぱりしたそうめんが相性バツグンだった。
「夏野菜は、それぞれ違った調理法なんですね」
オクラは生だったけれど、とうもろこしはゆでてあったし、パプリカとアスパラガスには焼き目がついている。それがまた、それぞれ違った食感で楽しい。
「ああ。味つけをしていないから、素材の味が増す方法で火を通さないとな」
私だったら面倒で一気に焼くかゆでるかしてしまうだろう。ちょっとした手間を惜しまないのが一心さんらしいし、そうめんのつゆが薄まったとき用に、陶器の水差しに注ぎ足し用のつゆが用意してあるのもうれしい心配りだ。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
完食されたお膳を見て、一心さんは「おそまつさまでした」と口角を上げた。