「里崎さん、失礼ですよ」

軽くたしなめるも、聞くわけもなく……

「恭平さあん。私も行ったらダメですかあ?」

恭平さんもまた、切長の目が素敵だと噂される人。里崎さんは、俺も含めてロックオンしたようだ。

恭平さんは、彼女の甘えっぷりを冷ややかな目で見ている。が、内心笑っているのだろう。よく見れば口元が小刻みに震えている。


「里崎さん」

少し強めに呼べば、途端に瞳を潤ませた。
すごいな。女の人って、こういう演技もできるのか。

「ダメですかあ」

いいわけないだろ!!と内心で毒付きながら、表面は平静を装う。

「私は恭平さんと仕事上のよいパートナーとなれるよう、関係を築くために親しくさせてもらうんです。あなたの出る幕ではありません」

キッパリ言ってやると、一瞬ポカンとした。

しかし、立ち直りが早かった……