「素直なのはいいけれど、時と場を考えられないのはないな。後で社長にクレームを入れておく」

その一言にますます慌てた山形さんに、大丈夫だと視線を送る。
これはイーサンにとっていつものこと。言葉一つで相手がどう出るかで、その人とのやり取りを続けるかを見ているのだ。

クレームと言っても、取引に支障が出るものではないとわかっている。こちらとしても、自社の人間の人となりを見られてある意味面白い。

まあ、お詫び代わりに俺か親父かが飲みに付き合わされて、しこたま酔わされるわけだが……

戻り際、心配する山形さんにイーサンのことを説明しておいた。