「失礼します」

夕方前、俺の元を訪れたのは杉田さんだった。要件はわかっている。前置きなしで、早速報告を受けた。

「やはり、あの4人の山形さんに対する不満は大きくて……直接何かをすることはないですが、お手洗いなんかで悪口三昧ですよ」

顔を顰めながら話を聞く。

「地味すぎる。秘書としての華やかさは皆無。等々、外見の批判ばかり。聞くに耐えません」

彼女の仕事ぶりも知らず、よくもまあ言いたい放題してくれたものだ。
おそらく、山形さんの耳にも入っているだろうと思うと、心苦しくなる。

「私と室長で、山形さんの守りを固めているので、直接的なことはありません。が、彼女のことが心配になります」

「そうですね。山形さんのフォローは私がします。杉田さんにも頼むことが出てくると思います。引き続き、彼女のことをお願いします」