「でしたら、改めて言わせていただきます。私へのお茶出しは、休み時間も含めて一切不要です。秘書にお願いすると決めましたので。
たとえ休み時間だとしても、こうして仲裁に私や杉田さんの時間が割かれているのです。私はこの時間中、なにもずっと休憩をしているわけではありません。わかりますか?」

少々不満げではあるものの、2人共小さく頷いた。
不満に思うのなら、自ら帰ってくれてもいいのに。

「次はありません。言い訳も聞きません。いいですね?」

念押しして、さっさと自室へ戻ることにした。
山形さんは何も悪くないというのに、申し訳なさそうにしていた。
そんな彼女に、声をかけずにはいられなかった。

「私が軽率でしたね。すみません」

「いえ。大丈夫ですよ」

小さく微笑んだ彼女に、申し訳なさがつのった。