その日の昼休み。
早速、山形さんと2名のご令嬢との間でいざこざが起きた。

「それ、私が持っていきますから」

「いえ、私が」

「えっと……」

声が聞こえて何事かと駆けつけてみたら、掴みかからんばかりの片岡さんと神田さん、それに尻込みしている山形さんがいた。

「これは、どういうことですか?」

私が来たことに気付いていなかった片岡さんと神田さんは、ハッとしてお互いの手を引っ込めた。

「副社長」

声を上げたのは、先に駆けつけてきた杉田さんだった。

「山形さんが副社長にお茶を頼まれたと知って、それなら自分がと……」

杉田さんはちらりと2人に視線を走らせた。