「今秘書課には、社長の知り合いから頼まれてお預かりしているご令嬢が４名います。鍛えてやって欲しいということなので、他の社員と同じように扱います。が、何分、勝手が分からないせいか、衝突を起こしがちなようです。
山形さんが私の秘書になることで、彼女等から何かしら言われることも考えられます。できる限り私と他の者で目を光らせていますが、私たちの目が届かないこともあります。彼女等から理不尽な事を言われることがあれば、すぐに教えてください、対処しますので」

山形さんは戸惑いを見せた。

「不安にさせてしまってすみませんが、私の秘書を引き受けていただけますか？」

「もちろんです」

ハッとした彼女は、すぐにそう答えてくれた。
その後、杉田さんとも引き合わせたが、こちらは波長が合うようで、すぐに打ち解けて一安心した。