が、俺にだって選ぶ権利があることを忘れないでいただきたいものだ。

これまで仕事第一で、真面目に生きてきた。女性との付き合いも、決して不誠実なことはしていない。いくら言い寄られても、遊ぶようなことは一切していない。
付き合うのは、本当に好きになった人だけ。

そんなふうに生きてきた自分が、わけのわからないご令嬢を生涯の伴侶に選ぶわけがない。
とぶちまけたいところだが、ここは穏便に手を引いてもらいたいから、本音をグッと閉じ込めて、4人との戦いに気を引き締めた。

とりあえず、今日のうちにいろいろなことを把握しておきたくて、4人のご令嬢のことは柳田さんに任せて、社内の挨拶回りに向かった。