翌日、始業よりかなり早めに出社した。
秘書課では、柳田さんと数名の社員が既に出社していた。
もちろん、4人の女性はまだ来ていない。ギリギリに出社してくるだろうことは、容易に想像できる。



副社長室で仕事を始めてしばらくすると、朝礼の時間だと声がかかった。


秘書課に一歩足を踏み入れた途端、あまりの不快さに顔を顰めてしまった。

香水がキツすぎる。

もちろん、発生源はこの室内で明らかに浮いている4人。一目で高価だとわかるスーツを身に纏い、髪型からメイクまで完璧に仕上げてきた彼女達だ。

その外見の作り込み具合は、あくまでご令嬢のものであって、秘書のものではない。目立ちすぎだ。

4人は俺の姿を視界に捉えた途端、にわかに色めき立った。