「仕事はできそうですか?」

四人の履歴書を示しながら尋ねると、ほんのわずかではあったけれど、柳田さんの眉がピクリと動いた。おそらく、認めはしないものの、それなりに迷惑を被っているのだろう。

「それが……本日からの勤務でしたが、陽一さんの勤務が明日からだと告げた途端、挨拶だけして〝それでは、明日からよろしくお願いします〟と流れるように帰っていかれまして……」

いない方がよいと判断したのだろう。柳田さんも引き留めなかったようだ。

「とりあえず、4人ともお綺麗な方でしたよ」

そこしか褒めることはないのだろう。
ということは、追い出すチャンスはたくさんあるということだ。

「2週間……うん。2週間でどうにかしましょう。長居されるほど、こちらの負担も大きくなるので。ああ、それから、社長の許可は取れてるのですが、私の秘書を私の方で選定したいのですが」