隊長だ。

当たり障りのない平均化された言葉で、隊員を鼓舞している。

きっとそんな部隊の体質が、俺には合わなかったのだろう。

続けて送られて来たメールは、別フォルダーに送られた。

久谷支部の部隊に出された指示だ。

つまり、俺と竹内。

そこにいま届いたばかりの通知がため込まれていく。

最初のは既読がついている。

俺も読んだ。

「No.03を確保しろ 手段は任せる」

それ以降の日付データは何もない。

そこからたったいま送られてきたばかりの、新着20件を超えるメッセージ。

その一つを開いた。

送られていたのは何かのURLで、開く気なんかなかったのに、うっかり指は触れてダウンロードが始まる。

一つをクリックすることで、全てが連動して展開されていく。

おかげで端末の更新が始まってしまった。

これでまた俺は、しばらく動けない。

「……竹内にまで、キレられるとは思わなかったな……」

入隊した時からの仲だ。

口は悪いし無愛想だけど、何度も二人で危機を乗り越えた。

一心同体とまでは言わなくても、欲しいところでちゃんとパスがくる。

そんな関係だと思っていた。

だけどそう思っていたのは、俺だけだったんだな。

ダウンロード完了の合図。

だけど今さら、どうにもならない。

再起動の指示があり、それにだけは従った。

新しくなった画面には、見知らぬアプリが組み込まれている。

『天命・改』