「お前の端末もいじられたのか」

「いや?」

「……そうか」

竹内のはそもそも、部隊のマシンと一心同体だ。

俺のはオリジナルの天命を守るため、わざわざ独立させておいたのに……。

「それ、お前にやる。使いたきゃ使え」

汚され、いじくられた端末なんて、もう俺のものではない。

リスに向かって投げつけた。

「なんで?」

「そんなのは、もういらない」

「お前な」

「違う。お前が使った方が、生かせるってこと」

「重人、あ……」

「話は聞かない」

技術力は竹内の方が上だ。

天命のシステムにも詳しい。

竹内はやや不服そうにしていたものの、俺の端末を立ち上げた。

「新しい情報が本部から入ってる」

「それで?」

「こっちだ」

目があう。

竹内の表情は、あくまで真剣だった。

「行くのか?」

「俺は行く」

ため息をつく。

俺たちはリスとウサギの皮を脱ぎ捨て、バスターミナルへと向かった。