ふてくされた気分のままふらふらとコンビニに入り、竹内と二人だけになってしまった地下の基地に潜る。

店の営業はフルオートメーション化されているし、コンビニ業務用アンドロイドも稼働しているので問題ない。

現在動いているのは、全て本部から支給され、竹内がコードを書き換えた機体だけだ。

いづみの作成したアンドロイドは、全て回収されてしまった。

なにが仕込まれているのか分からない。

情報漏洩を避けるためには必要な措置だった。

「全く、たまんねーよ」

俺は悪態をついたまま、唯一の生体となった竹内の隣に座る。

「あぁそうだな。電源を落とすなんて最低だ」

彼は険しい顔つきのまま、パソコン操作を続けている。

竹内はなんだかんだで、まだ過去ログから飯塚さんを追っていた。

同時に隊長の動きもマークしているんだから、そのスペックの高さには感心する。

天命の中もすでに自由自在だ。

「無期限停止」とは、本当に無期限な時間のことだったらしい。

「このニートとかフリーターって身分、なんとかならねーのかな」

「仕方ないだろ。俺らはいわゆる、公儀隠密なんだから」

竹内は一人でこの基地の二階に住み、サーバーも共有しているんだ。

そもそもの技術的基礎能力値が、俺のとは全く違う。

だから当たり前なのか。

コイツだけ許されているのも。

うちみたいな、あんなバカな邪魔もはいらないだろうし……。

「この仕事に就けば、誰もが通る道だ」

竹内はキーボードの隅を骨張った指でコツコツと叩く。

パソコンを前にすれば、この指先だけは別の生き物のようにいつも跳ね回っているのに、今はそれが華麗に踊らない。

様子がおかしい。