「このデジタル放送時代に?」

「自主制作の編集された動画が、放送時に紛れ込んだと説明している」

ネットニュースは更新を続ける。

局のスタッフが仲間と作っていた自主制作映画の動画が、誤って放送コードにのってしまったと言っている。

「あれは電波ジャックだったろ!」

俺は支部のPCで天命を検索する。

飯塚さんはその機能を使って、正規の放送枠に割り込んだんだ。

「隊長だよ。隊長の仕業だ」

竹内の声は震えていた。

「飯塚さんの宣戦布告に、隊長は応えた。これで『放送事故』と世間はごまかせても、全国の隊員と飯塚さんには、確実に伝わったはずだ。隊長の意志が。全面対決の始まりだよ」

飯塚さんのアカウント使用許可を取り消しても、イタチごっこだ。

天命を止めるわけにはいかない。

他の業務だってある。

てゆーかこんな対決したところで、そもそも飯塚さんの方が圧倒的に不利だろ。

勝ち目なんて、ない。

「なぁ、竹内。やっぱりこの噴水のところに行かないか。俺は、この目で実際に確かめたい。遠隔操作で爆破していたとしたら、この報道で飯塚さん自身も、本当に爆破出来ていたのか、確かめにくるんじゃないか」

床や壁の拭き取りは終わっていても、細かな実験器具や電子機器の動作確認は終わっていない。

だけど俺は、このままあの人がボロボロに捕まってしまうのを、見たくはない。

「お前が動けないっていうんなら、俺だけでも行くことを許可してくれないか。あっ、それか、今日はもうお終いってことにして、俺はこれからプライベートで勝手に公園に……」

「俺も行くよ」

竹内は盛大なため息をつくと、立ち上がった。

「言っただろ。お前なんかより、どっちが焦ってるかって。あの人をほっとけないのは、お前以上だ」

目が合う。

ニッと笑ったら、竹内はフンと鼻で吹き飛ばしてうつむいた。