閑静な住宅街を、俺は全速力で駆け抜ける。

先ほどのテレビ中継は録画されている。

噴水を撮影していたカメラは、破壊の衝撃で揺れていた。

つまりそれは、部隊の衛星画像を使用しているのではない、ということだ。

あの人は近くにいる。

俺が昨夜からつい数時間前まで見ていたのは、水道局の管理システムだ。

噴水のある公園は限られている。

そしてこの噴水への攻撃は、一ヶ所だけのことではない。

この管理システム下に置かれたすべの噴水に、攻撃が行われたはずだ。

このコンビニの近くにも、マークされた公園はある。

入り口の門を駆け抜ける。

マップは頭に入っていた。

流水音が聞こえる。

しまった。

図面だけではなく、航空写真でも実物を確認してから来ればよかった。

自然の石を積み上げて作られたそのビオトープ型の児童公園は、先ほどの映像で破壊された噴水とは、似ても似つかないものだった。

滝を模した岩の間から、ちょろちょろと水が流れている。

ぐっと俺の肩をつかんだのは、隊長の手だった。

「なぜ急に移動した。ここに何がある!」

「……多分、何もありません」

「多分とは何だ。答えろ」

竹内まで追いかけて来た。

「重人、お前なにやってんだよ!」

「……飯塚さんが破壊したのが、ここの噴水かと思ったんだ」

竹内はため息をつく。

すぐにポケットから端末を取り出した。

「お前、さっきまで何を見ていたんだよ。確かに急に流水量が増えたのはうちのコンビニ前の水道局が破壊されたからだ。だからって、同じ管轄の噴水が壊されたと、どうして断言出来る?」

ごつごつと細いくせに骨張った指は、その太さにもかかわらず正確に画面をタップしていく。

それを俺に向けた。

「一体、一日で何件の水道管破裂事故が起こってると思ってんだよ。そんな珍しいもんじゃない」

「違う。そうじゃなかった」

俺の見た画面とは、違う。