「まぁほら、まだそんな出動経験もないわけだし?」
「そうやっていつまでもかばってたら、何にも出来ないじゃない!」
「飯塚さんが甘すぎるんっすよ。連れ回してるだけで、何もやらせようとしないし」
飯塚さんは鮭と昆布にから揚げ、そこに大概ポテトサラダがつく。
この組み合わせは絶対に変わらない。
鮭がツナに、ポテトサラダが大根サラダになることはあっても、それはいつも崩れない不文律を形成している。
「どっから始めます? 突っ込みどころが多すぎて、どうすればいいのか分かんねーし」
竹内は雑食なので、賞味期限切れを片っ端から片付けていくタイプだ。
「あんたの指導の仕方が悪いんじゃないの?」
「新人クラッシャーの異名を持つような人には言われたくないね」
俺の前にはなぜかいつも、同じ幕の内弁当が置かれていた。
「まぁまぁ」
にらみ合う二人の間に、飯塚さんが割って入る。
こちらを振り返った。
「いつも何となくそれを持ってきてるけど、その弁当でよかった? 好きなのを上から取ってきていいんだよ」
「えぇ、大丈夫ですよ」
箸をとる。
弁当の蓋をあけると、それはまだほんのりと温かかった。
「こないだは、ナポリタン食べてたわよ。大盛りの」
「その前は中華丼」
「そっか」
飯塚さんは微笑む。
「じゃあ、俺だけか。いつも同じ幕の内弁当置いてたのは」
その弁当の暖かさが、いまは腹にしみる。
「飯塚さんのお茶は、いつもその銘柄ですよね」
そう言ったら、ちょっとうれしそうな顔をしてから、また笑顔になった。
「お。そういう所はよく観察しているね」
「だから、そこが違うって言ってんでしょ!」
いづみはドンとテーブルを叩く。
「ちゃんとリーダーやって」
竹内の首も、激しく上下にシェイクしている。
その剣幕におされ、飯塚さんは渋々司令台巨大ディスプレイに、マップを映し出した。
「どうやっておさらいをしようか」
「最初っからよ」
「そうやっていつまでもかばってたら、何にも出来ないじゃない!」
「飯塚さんが甘すぎるんっすよ。連れ回してるだけで、何もやらせようとしないし」
飯塚さんは鮭と昆布にから揚げ、そこに大概ポテトサラダがつく。
この組み合わせは絶対に変わらない。
鮭がツナに、ポテトサラダが大根サラダになることはあっても、それはいつも崩れない不文律を形成している。
「どっから始めます? 突っ込みどころが多すぎて、どうすればいいのか分かんねーし」
竹内は雑食なので、賞味期限切れを片っ端から片付けていくタイプだ。
「あんたの指導の仕方が悪いんじゃないの?」
「新人クラッシャーの異名を持つような人には言われたくないね」
俺の前にはなぜかいつも、同じ幕の内弁当が置かれていた。
「まぁまぁ」
にらみ合う二人の間に、飯塚さんが割って入る。
こちらを振り返った。
「いつも何となくそれを持ってきてるけど、その弁当でよかった? 好きなのを上から取ってきていいんだよ」
「えぇ、大丈夫ですよ」
箸をとる。
弁当の蓋をあけると、それはまだほんのりと温かかった。
「こないだは、ナポリタン食べてたわよ。大盛りの」
「その前は中華丼」
「そっか」
飯塚さんは微笑む。
「じゃあ、俺だけか。いつも同じ幕の内弁当置いてたのは」
その弁当の暖かさが、いまは腹にしみる。
「飯塚さんのお茶は、いつもその銘柄ですよね」
そう言ったら、ちょっとうれしそうな顔をしてから、また笑顔になった。
「お。そういう所はよく観察しているね」
「だから、そこが違うって言ってんでしょ!」
いづみはドンとテーブルを叩く。
「ちゃんとリーダーやって」
竹内の首も、激しく上下にシェイクしている。
その剣幕におされ、飯塚さんは渋々司令台巨大ディスプレイに、マップを映し出した。
「どうやっておさらいをしようか」
「最初っからよ」