『Completed successfully. It's working fine』
鳴り響く駆動音がヴォルテージを下げた。
これで、都庁ロボは正常に動く。
その準備は整った。
「重人、手動マニュアルがどこかに入っているはずだ。探し出せ」
「無理だよ、飯塚さんは遠隔操作してる」
「どこで!」
「知るか!」
遠隔操作可能なロボットに、そもそも操縦席なんて必要なのか? じゃあここはなんだ。
何者かの意志によって動かされるロボットに乗っかってるだけの人間に、何が出来る?
「あったぞ、手動操作レバーだ」
竹内の指がキーボードの上を、かつて無いほど高速に動いている。
外の様子を映したモニター画面に、手動操作マニュアルが浮きあがった。
「なんだよこれ、合体してからの操作じゃないか」
それじゃ意味がない。
飯塚さんの目的は、都庁ロボの存在を世に知らしめることだ。
合体した姿を見せつけられれば、それでいい。
まともに動くかどうかなんて、関係ないんだ。
「合体させちゃダメなんだよ。やっぱ電源を落とそう」
さっき立ち上げたばかりのスタートボタンに指をかけた。
『The operation was rejected. It's keep working』
「くそっ、主電源を落とすことさえ、ここからは出来ないのか!」
竹内の指はそれでもまだ動き続けている。
「じゃあこの部屋はなんだ?」
「トラップだよ、きっと。遠隔操作プログラムが完成しているなんて、部隊の人間は誰も知らなかった。その可能性を考えたことはあったとしてもだ。だとしたらここで、実際に動かすしかないと考えるのが普通じゃないか。見てみろ」
画面が切り替わる。
都庁ロボ合体ルートとその進行状況表示画面だ。
庁舎各所に隠されたパーツは、最終的に地下で合体する。
都庁前に広がる空間が、単なる憩いの広場であるわけがない。
「スタートされたら、もう誰も止められない。ここは操縦室なんかじゃない。『元操縦室』だ。ロボットの暴走を見届けるための『特等席』だよ」
その特等席からの音声通知が響く。
『TTRS、合体を開始します』
白と緑の線で描かれた都庁とロボットパーツ配置図の一部が、オレンジに変化する。
合体を知らせるアラートが、庁舎に鳴り響いた。
隊長からの通信。
鳴り響く駆動音がヴォルテージを下げた。
これで、都庁ロボは正常に動く。
その準備は整った。
「重人、手動マニュアルがどこかに入っているはずだ。探し出せ」
「無理だよ、飯塚さんは遠隔操作してる」
「どこで!」
「知るか!」
遠隔操作可能なロボットに、そもそも操縦席なんて必要なのか? じゃあここはなんだ。
何者かの意志によって動かされるロボットに乗っかってるだけの人間に、何が出来る?
「あったぞ、手動操作レバーだ」
竹内の指がキーボードの上を、かつて無いほど高速に動いている。
外の様子を映したモニター画面に、手動操作マニュアルが浮きあがった。
「なんだよこれ、合体してからの操作じゃないか」
それじゃ意味がない。
飯塚さんの目的は、都庁ロボの存在を世に知らしめることだ。
合体した姿を見せつけられれば、それでいい。
まともに動くかどうかなんて、関係ないんだ。
「合体させちゃダメなんだよ。やっぱ電源を落とそう」
さっき立ち上げたばかりのスタートボタンに指をかけた。
『The operation was rejected. It's keep working』
「くそっ、主電源を落とすことさえ、ここからは出来ないのか!」
竹内の指はそれでもまだ動き続けている。
「じゃあこの部屋はなんだ?」
「トラップだよ、きっと。遠隔操作プログラムが完成しているなんて、部隊の人間は誰も知らなかった。その可能性を考えたことはあったとしてもだ。だとしたらここで、実際に動かすしかないと考えるのが普通じゃないか。見てみろ」
画面が切り替わる。
都庁ロボ合体ルートとその進行状況表示画面だ。
庁舎各所に隠されたパーツは、最終的に地下で合体する。
都庁前に広がる空間が、単なる憩いの広場であるわけがない。
「スタートされたら、もう誰も止められない。ここは操縦室なんかじゃない。『元操縦室』だ。ロボットの暴走を見届けるための『特等席』だよ」
その特等席からの音声通知が響く。
『TTRS、合体を開始します』
白と緑の線で描かれた都庁とロボットパーツ配置図の一部が、オレンジに変化する。
合体を知らせるアラートが、庁舎に鳴り響いた。
隊長からの通信。