「……そっか」
橋口さんは小さく頷き、そして少し困ったような笑みを浮かべた。
「百合ちゃんから宮原くんの話聞いたことあるよ」
「え……っ」
驚きに息を呑む。彼女は一体どんな話をしたというのだろう。俺について話すことなんてあるのか。
「女の子何人かで遊んだとき恋バナになってね、百合ちゃんはあんまり話したくなさそうだったんだけど、『付き合ってる人いないの?』『好きな人は?』ってみんなから訊かれて、『中二のとき、ちょっとだけいい感じになったことがあった人がいた』って渋々話してくれて……」
もしかして、『何回か二人で会ったりしてたんだけど、しょうもない男だった』とか言われてたんじゃ。いや、言われても仕方がないことしかしてないけど。
でも、続く橋口さんの言葉が、バカな俺をきつく殴りつけた。
「もしかしたらうまくいったかもしれなかったのに、私のせいでだめになっちゃった……って言ってた」
「――え……」
言葉を失った。頭が真っ白になり、そこに『私のせいで』という言葉が彼女の声で再生され、ぐるぐると回っている。
「百合ちゃんね、宮原くんのこと、ずっと――」
呆然とする俺を見ながら言いかけて、橋口さんはふふっと笑った。
「いや、私が言うことじゃないね。続きが知りたかったら、本人に聞きに行ってね」
橋口さんは小さく頷き、そして少し困ったような笑みを浮かべた。
「百合ちゃんから宮原くんの話聞いたことあるよ」
「え……っ」
驚きに息を呑む。彼女は一体どんな話をしたというのだろう。俺について話すことなんてあるのか。
「女の子何人かで遊んだとき恋バナになってね、百合ちゃんはあんまり話したくなさそうだったんだけど、『付き合ってる人いないの?』『好きな人は?』ってみんなから訊かれて、『中二のとき、ちょっとだけいい感じになったことがあった人がいた』って渋々話してくれて……」
もしかして、『何回か二人で会ったりしてたんだけど、しょうもない男だった』とか言われてたんじゃ。いや、言われても仕方がないことしかしてないけど。
でも、続く橋口さんの言葉が、バカな俺をきつく殴りつけた。
「もしかしたらうまくいったかもしれなかったのに、私のせいでだめになっちゃった……って言ってた」
「――え……」
言葉を失った。頭が真っ白になり、そこに『私のせいで』という言葉が彼女の声で再生され、ぐるぐると回っている。
「百合ちゃんね、宮原くんのこと、ずっと――」
呆然とする俺を見ながら言いかけて、橋口さんはふふっと笑った。
「いや、私が言うことじゃないね。続きが知りたかったら、本人に聞きに行ってね」