《十二月二十四日》

今年のクリスマスは、優也と一緒に家にいた。
受験生だからどこにも行かないって優也が言うから、あたしもクラスのクリスマスパーティーを断った。
どうしてもプレゼントをあげたくなって、手袋を買った。今使ってるのはぼろぼろだから、受験のときに寒くないように。
毎年何もあげてないのに急にあげたら不自然だから、十一月末だった優也の誕生日プレゼントも兼ねてることにして誤魔化した。優也の誕生日に、なにもあげられなかったから。
嬉しそうにしてたから、たぶん喜んでくれたんだと思う。
来年のクリスマスも、優也と一緒にいられたらいいな。家族のままでいいから。