《十月二十二日》
修学旅行が終わった。京都はすごく楽しかったけど、クラスが違う優也にはほとんど会わなかった。
一回だけ清水寺ですれ違った優也は、この前一緒にいた子と楽しそうに歩いてた。
りっちゃんは、自由時間はずっと彼氏と回ってた。
友達と回るのは楽しかったけど、一枚くらい優也と写真が撮りたかった。優也は、一緒にいた子と一緒に写真を撮ったのかな。
夜に部屋でみんなの恋バナを聞きながら、みんなの好きな人への気持ちは、あたしの優也への気持ちと似てるって思った。
あたしはたぶん優也のことが好きなんだ。家族でも弟でもなくて、恋愛感情で。
先輩への恋を諦めて、別の彼氏ができたりっちゃんが言ってた。
いちばん好きな人とは結ばれないものなんだ、って。
りっちゃんの言い方はかっこよかったけど。それって実はすごく悲しい。