石油掘削では多くの場合、石油と共に天然ガスが噴出する。それらの天然ガスはパイプラインを通して回収され、エネルギー源として利用される。

 日本で家庭用のガスといえば独特の嫌な臭いがするが、あれば後からわざと臭いを付けたもので、本来の天然ガスは無色無臭だ。
 そして天然ガスは、ある一定の比率で空気が混合された状態で点火すると爆発する。だから、気付かないうちにどこかパイプラインに亀裂ができていて、そこから漏洩したガスに着火したのかと思ったのだ。

「どうしようっ!」

 大惨事かと青ざめた私はすぐに立ち上がって周囲を見渡す。そして、その状況に目を(しばたた)かせた。

「え……?」

 そこにはあり得ない景色が広がっていた。
 大海原にいたはずなのに、周囲に広がるのはどこまでも続くのは黄土色の世界だった。砂漠……だろうか。