田宮さんはホッとした表情を見せると、手に持っていたアクセサリーを私に見せるように上げる。

「結局買っちゃったよー。奥さん喜んでくれるかな」

 田島さんの手には、この辺りで採掘される天然石のネックレスが光っていた。
 私は自分の左腕を無意識に右手で触れる。いつも付けているハムサがカシャンと鳴った。

「……夢?」

 妙にリアルなのに、なんともヘンテコな夢だった。
 魔法の使えるアラビアンな世界に迷い込み、自称石油王に求婚されるなんて。
 しかも、最後は敵国の攻撃にまであうフルコースだ。