アルフラダは落下してゆくユィを呆然と見つめた。
 ついさっきまで目の前で軽口を叩いていたのに、その手は届きそうなところでするりと抜け落ちた。

「ユィ!!」

 必死の叫びも虚しく華奢な体が遠ざかる。その刹那、ユィの大きな黒目はこぼれ落ちんばかりに見開かれた。

「男だったら、たった一人を宇宙一幸せにして見せやがれー!!」

 叫び声と共に、眩い光が放たれてユィの体が包まれる。あまりの眩しさに咄嗟に目を閉じるのと同時に、足元が無くなったような浮遊感と、砂の地面に叩きつけられる衝撃。恐る恐る開けるとそこには一面の砂の世界が広がっていた。

「嘘だろ? ……消えた?」