「なくさないように付けておけ」 「うん」 私はそれを受け取ると、元のように腕に付ける。 「なんか光ってるんだけど?」 「俺の魔力を込めた。すぐに光はなくなる」 「ふうん?」 満足げに細まる黒曜石のような瞳を見てなんとなく気恥ずかしさを感じ、避げるように顔を背ける。 そのとき、カタカタとテーブルが小刻みに揺れた。 「地震?」 「違う、誰かが来た」 「え?」