「ニージマユィ。そろそろ観念しろ。俺の嫁にこい」

 まるで挨拶をするように発せられた言葉に、私は笑顔を浮かべる。アルフルダはその笑顔を見て、相好を崩した。

「やっと観念したか」

 こちら伸びてくるアルフラダの手をふいっとよける。
 アルフルダは避けられた手に握られた花を見つめ、それならばと違う花を瞬時で出した。そう、何を隠そう魔法である。

「絶っ対に嫌!」

 私の言葉に、アルフラダの穏やかな弧を描いていた口許が一瞬で強ばる。

「なぜだ。金は十分に払うし、贅沢もさせてやる」
「金ならあるもの。石油があるから」