油田一つ分の大金を叩いたにも関わらず、肝心の金の卵が見つからない。それでは大損だ。

「まだ見つからんのか!」

 男に睨み据えられた部下の魔術師は、難しい顔をして首を左右に振る。

「探索の魔法で探しているのですが、靄がかかったように見えません。恐らく、何らかの魔法よけの魔道具を身に着けている可能性があります」
「魔法よけの魔道具?」
「はい」

 と、そのとき扉がばたんと開き、別の部下が転がり込んできた。

「ナシール様、見つかりました」
「見つかった?」
「新たな油田です! ラジーラの手前の空白地に見たこともないような不思議な油井ができあがっているそうです」
「油田?」