「では、ユィは特別な存在なんだな」

 アルフラダは楽しげに笑った。まぁ、珍しいことに間違いはないからそのコメントは否定しない。

ふと、横から差し込む日差しに目を細める。
 そちらを向くと、ちょうど夕陽が砂漠の大地に沈むところだった。

「綺麗だね」
「ああ、そうだな」

 アルフルダは私を見つめたまま、にこりと微笑んだ。


    ◇ ◇ ◇


 とある宮殿の奥深く、一人の男が地団駄を踏んでいた。

「いない、いない、いない! どこにもいないではないか!」