石油技術を教えているとき、アルフルダはいつもまるで子供のように熱心に聞き入る。よっぽど興味があるのだろう。

 その後も静かに私の話を聞いていたアルフラダがじっとこちらを見つめているのに気付き、私は首を傾げる。

「なに?」
「ユィの世界では、女も石油を掘るのだな」
「掘らないよ。日本中でも、プラントエンジニアの女の子は数えるほどしかいないんじゃないかな」

 私は手を振る。
 石油掘削においては日本最大手だった私の会社でも、女性プラントエンジニアは殆どいなかった。女性の社会進出が叫ばれて久しいが、未だにこの業界は男社会だ。