「ユィは本当に変わっている。金もいらない、宝石もいらない、旨い料理もたまにでよい。これまで出会った女は皆これで落ちたのだがな」
「私、普通の女じゃないから」

 ジャガイモのソテーを頬張りながら、素っ気なく答える。

「ますます落としがいがあるな」

 にやりと笑うアルフラダを、私はじろりと睨んだ。アルフラダは私の視線など意に介さぬ様子で澄ましている。

 アルフラダは、私がこの摩可不思議な世界に来て最初に出会った人間だ。この辺り一体を治める石油王らしい。