「美味しい」
「そうだろう? 俺のところに来れば、毎日好きなだけこの料理が食べられるぞ」

 テーブルの向かいに座る、およそ十代には見えない色気を放つ眉目秀麗な男──アルフラダはどうだと言いたげにこちらを窺い見る。

「うーん。美味しい料理はたまに食べるからこそそのありがたみがわかるのよね。毎日フランス料理のフルコース食べてたら飽きるじゃない? それと一緒ですよ」
「フランス料理とはどのような料理だ?」

 アルフルダは眉を寄せる。

「とっても美味しくて、贅沢な料理」

 それを聞いたアルフラダは益々眉間の皺を深くする。今日もいい返事が貰えずに不満げである。