たぶん、わかってた。
あまりに恥ずかしくて、認めたくなかっただけで。そうだろうなって。一穂にはほんと、申し訳ないことをしてしまった。
「ごめん」
だから頭を下げた。
「ちょっと! やだ、顔上げて」
そんな僕に一穂が慌てる。
「もう過去のことだし、いまの藤井くんは全然違うから元気出して。大丈夫だから」
彼女が明るく励ましてくれた。
「ありがと」
謝ったり感謝したり、なんだか情けなくてうれしくて涙が出そうだ。
「それより、また脚本書くの?」
「え、なんで?」
さっき楓とした会話でも触れたばかりで、同じ話題をまさか一穂からも振られるとは。
「だって、『水の世界』を描いた藤井くんが、いまならどんな物語を書くのかなって、純粋に楽しみだから」
意外なひとこと。
なんか、勇気が湧く言葉だった。
「がんばるよ」
「うん」
一穂は立ち上がると、「じゃね」と笑顔で戻っていった。
西日がまぶしすぎるくらいに屋上を照らしていた。
あまりに恥ずかしくて、認めたくなかっただけで。そうだろうなって。一穂にはほんと、申し訳ないことをしてしまった。
「ごめん」
だから頭を下げた。
「ちょっと! やだ、顔上げて」
そんな僕に一穂が慌てる。
「もう過去のことだし、いまの藤井くんは全然違うから元気出して。大丈夫だから」
彼女が明るく励ましてくれた。
「ありがと」
謝ったり感謝したり、なんだか情けなくてうれしくて涙が出そうだ。
「それより、また脚本書くの?」
「え、なんで?」
さっき楓とした会話でも触れたばかりで、同じ話題をまさか一穂からも振られるとは。
「だって、『水の世界』を描いた藤井くんが、いまならどんな物語を書くのかなって、純粋に楽しみだから」
意外なひとこと。
なんか、勇気が湧く言葉だった。
「がんばるよ」
「うん」
一穂は立ち上がると、「じゃね」と笑顔で戻っていった。
西日がまぶしすぎるくらいに屋上を照らしていた。