白のスウェットに、フードと胸元のロゴ。髪は小さく後ろでひとつに束ねて、いつもの彼女だ。
「あ、ああ」
僕はペンキのついたヘラを手にしたまま軽くうなずく。
「稽古は?」
顔を戻すと、手を動かして作業を続けた。
「休憩中」
「でもなんでこんなとこまで?」
「こんなとこって、いいとこじゃない」
一穂が笑う。
「いや、そうだけど、わざわざ」
「見学しに来たの」
彼女は僕の傍らにしゃがんだ。
「藤井くんの作るモニュメント、どんな感じになるのかなーって」
実は僕が今度の舞台にモニュメントを配置したいと提案したとき、真っ先に賛成してくれたのは一穂だった。
「順調?」
彼女が僕を覗きこんでくる。
「まだまだ序盤……かな」
後輩とも分担しているが、これから何枚も切り分け、色を塗り、組み立てていく工程がある。
「なんか変わったよね、最近」
一穂の声はしっとりとしていた。
「あ、ああ」
僕はペンキのついたヘラを手にしたまま軽くうなずく。
「稽古は?」
顔を戻すと、手を動かして作業を続けた。
「休憩中」
「でもなんでこんなとこまで?」
「こんなとこって、いいとこじゃない」
一穂が笑う。
「いや、そうだけど、わざわざ」
「見学しに来たの」
彼女は僕の傍らにしゃがんだ。
「藤井くんの作るモニュメント、どんな感じになるのかなーって」
実は僕が今度の舞台にモニュメントを配置したいと提案したとき、真っ先に賛成してくれたのは一穂だった。
「順調?」
彼女が僕を覗きこんでくる。
「まだまだ序盤……かな」
後輩とも分担しているが、これから何枚も切り分け、色を塗り、組み立てていく工程がある。
「なんか変わったよね、最近」
一穂の声はしっとりとしていた。