僕とゆずきが付き合い始めたことは、部内のみんなが知っている。ゆずきの存在を楓に確認したあと、部員たちにも詮索してみたから間違いない。
昨日のデートのことは知らずとも、一応、公認の仲なのだ。
一穂とは直接それについて話したことはないものの、彼女だってやっぱり知っているはずだ。
そんな一穂には僕との黒歴史がある。僕のことを一方的に振っている過去。
でも今回、僕が書き上げた脚本のヒロイン役を、彼女はどうしてもやりたかった。
ひょっとしたらその気負いからか、オーバーワークで喉を傷めたのかもしれない。
自分が演じることを熱望していたヒロイン役に、自分が振った男のカノジョを指名するって……。
いったいどういうつもりなんだ。
まさか、嫌がらせ……?
自分がどうしても演じたかった役。ほんとは誰にも演じさせたくないし、実際ここからの短期間で演じられる人間なんていないかもしれない。だったらいっそうのこと、ゆずきにやらせてみて、その上で失敗するのを鼻で笑ってやろうって魂胆、とか……?
全身に鳥肌が立った。
怖い。
そんな想像をしている自分も怖い。
でも、ほんとにそんな闇を彼女が抱えていたとしたら……。
病んで、闇落ち――。
なんか変なキャッチコピーまで思いついてしまった。
昨日のデートのことは知らずとも、一応、公認の仲なのだ。
一穂とは直接それについて話したことはないものの、彼女だってやっぱり知っているはずだ。
そんな一穂には僕との黒歴史がある。僕のことを一方的に振っている過去。
でも今回、僕が書き上げた脚本のヒロイン役を、彼女はどうしてもやりたかった。
ひょっとしたらその気負いからか、オーバーワークで喉を傷めたのかもしれない。
自分が演じることを熱望していたヒロイン役に、自分が振った男のカノジョを指名するって……。
いったいどういうつもりなんだ。
まさか、嫌がらせ……?
自分がどうしても演じたかった役。ほんとは誰にも演じさせたくないし、実際ここからの短期間で演じられる人間なんていないかもしれない。だったらいっそうのこと、ゆずきにやらせてみて、その上で失敗するのを鼻で笑ってやろうって魂胆、とか……?
全身に鳥肌が立った。
怖い。
そんな想像をしている自分も怖い。
でも、ほんとにそんな闇を彼女が抱えていたとしたら……。
病んで、闇落ち――。
なんか変なキャッチコピーまで思いついてしまった。