「コウくん気に入ってくれるかなって、作ってるときからずっとドキドキしてたんだよ」
 ゆずきが目を伏せてはにかんだ。
 ずきゅーーーーん。
 漫画だったらいまのワードに胸を打ち抜かれてる。
 か、――かわいい……。
「え、何何?」
 僕がゆずきをまじまじと見つめすぎたせいか、今度は彼女がうろたえた。
「あ、いや、なんでも。ただ、楽しみだなって」
 ヤバい、こっちこそキョドりすぎた。
 落ち着け、コウ。僕は大丈夫。僕ならできる。
「じゃあ、開けるね」
 ゆずきが僕との間に弁当箱を置き、ゆっくりとそのふたを開く。
 食欲をそそるおいしそうな香りが広がった。
 おおぉー!
「すごっ……」
 感動で思わず声が漏れた。