真宙くんと友達になってから約一ヶ月が経った。


 今は昼の休憩。

 教室で桜ちゃんと一緒に弁当を食べている。



 ……って……。

 ……?


 気のせい……だろうか。

 教室の戸から。
 チラッと。
 見られているような……。



「どうしたの? 希空ちゃん」


 視線が気になっている。
 そう思っているから。
 態度に出ているのかもしれない。

 桜ちゃんが不思議そうに私の顔を見ている。


「……気のせいだと思うんだけど……
 教室の戸のところから見られている気がして」


 正直に感じたことを桜ちゃんに話した。


「……確かに……
 こっちの方を見ている気がする」


 桜ちゃんも気になって教室の戸の方をチラッと確認し、そう言った。


「やっぱり、気のせいじゃないんだよね」


 気のせいではない。

 だとしたら、どうして私たちの方を見ているのだろう。


「……もしかして……」


 そう思っていると。
 桜ちゃんが口を開いた。


 もしかして……?

 桜ちゃん、何か心当たりが……?


「……違うかもしれないけど……」


 桜ちゃんはとても話しづらそうにしている。


 桜ちゃんの様子を見ていると、よほどの内容なのかと思い、緊張が走る。


「……噂のことで……かもしれない」


 噂……?