「じゃあ」


 私のことを心配してくれた後、その男の子は『じゃあ』と言った。
 だから、てっきり『じゃあ行くね』という意味だと思って、私も『じゃあね』と言おうと思った。
 のだけど。


「今日はオレと一緒に学校に行こう。また、さっきみたいなことになると危ないから」


 え……えぇぇーっ‼


「だ……大丈夫だよっ。さすがに、さっきあんなことがあったばかりで、そんなにすぐには同じことなんて起きないと思うからっ。それに今日、初めて話した人に、そんな一緒に通学してもらうなんて悪いからっ」


 と、その男の子にそう言った、私。

 でも本当は。

 私は必死だった。
 どうしたら、その男の子と一緒に通学しなくて済むのかを。
 なぜなら。
 その男の子と一緒に通学したら、絶対に学校に行かなければいけなくなってしまうから。
 そうしたら逃げることができなくなってしまう。
 それは、今日の私にとっては、かなり都合が悪いこと。
 だって私は、まだ迷っているから。
 今日、学校に行くか行かないかを。