「優くんがペットボトルの口をわたしの口に入れてくれたんでしょ」


 ……え……?


「……優くん……?」


「……あっ、うん、そうだよ。よかったね、ちゃんと飲むことができて」


「優くんが上手にペットボトルの口をわたしの口に入れてくれたおかげだよ」


「そんなことは……」


「本当にありがとう、優くん」


「い……いいよ、お礼なんて……」


 加恋ちゃん……気付いてなかった……かな……?

 僕が加恋ちゃんに……口……移し……で水を飲ませたことに……。


「それより無理しないでね」


「ありがとう、優くん」


 それからもうしばらく僕と加恋ちゃんは木陰で休んだ。