「加恋ちゃん……」


「……優くん……」


「加恋ちゃん、体調はどう?」


「……うん……だいぶ良くなったよ……」


「よかったぁ」


 僕は加恋ちゃんから、加恋ちゃんの体調が良くなったことを聞いて安心した。


「……優くん……」


「うん?」


「……ありがとう……」


「うん?」


「……お水……飲ませてくれて……」


 ……‼


 か……加恋ちゃん……‼


 気付いてたの⁉


 僕が……僕が……加恋ちゃんに……水を……口……移し……で……飲ませた……ことに……。


 そう思ったら僕は急に顔から火が出るくらいに血が上ってきた。


「……優くん……?」


 僕は加恋ちゃんの呼びかけに返事ができなかった。


「……優くん……?」


 このままでは加恋ちゃんのことを無視しているみたいになってしまう。

 そう思った僕は声を振り絞って……。


「あ……あれは……その……」


 そんな言葉しか出なかった。


 僕は、そんな言葉しか出なかった自分に慌ててしまった。


 そのとき……。