加恋ちゃんの目線はどこか遠くを見ているようだった。

 僕は、とにかく加恋ちゃんを日陰に移そうと思った。

 そのとき……。


「加恋ちゃん‼」


「……ごめん……優くん……」


 加恋ちゃんの弱々しい声。


 そして加恋ちゃんは僕にもたれかかるようにしゃがみ込んでしまった。


「加恋ちゃん⁉ 大丈夫⁉」


 って、大丈夫じゃないか。


 僕は加恋ちゃんを抱えるように日陰の方へ向かった。


 そしてちょうどいい木陰が見つかった。


 僕は、そこに加恋ちゃんを座らせた。


 加恋ちゃんを座らせてすぐ僕は加恋ちゃんの顔を見た。

 加恋ちゃんの顔色が良くない。


 僕は加恋ちゃんを病院に連れて行こうと思った。


「加恋ちゃん、病院に行こう」


 僕は加恋ちゃんに病院に行くことを勧めた。


「……大丈夫……ちょっと休めば良くなるから……」


 加恋ちゃんの声がさっきよりも弱々しくなっているような気がする。


「ダメだよ、病院に行かなくちゃ」


 僕は加恋ちゃんを抱えるように立ち上がろうとした。