「だから……もしそのことで優くんに嫌な思いをさせてしまったのなら、ごめんね……」


 ……そうだったんだ……。

 加恋ちゃんが祭りに来るのが初めてだということを知らなかったとはいえ、僕はなんで僕と一緒にいても加恋ちゃんは楽しくないのかなというそんな思い込みを……。


「謝らないで、加恋ちゃん。加恋ちゃんは全然悪くないよ」


「優くん……ありがとう」


「加恋ちゃん、お好み焼き食べ終わったら、また店をまわろう」


「うん」


 よかった……加恋ちゃんが笑顔になった。





 お好み焼きを食べ終えた僕と加恋ちゃんは、また店をまわり始めた。


 僕は、あまりはしゃぎすぎ過ぎないように加恋ちゃんのペースに合わせながらゆっくりと店をまわった。


 しばらく店をまわっていたら、のどが渇いてきた。

 僕は加恋ちゃんに何か飲まないか訊こうと思った。

 そして僕は加恋ちゃんの方を見た。


「加恋ちゃん、僕、のどが渇いてきたけど、加恋ちゃんも何か飲む?」


 ……⁉


「加恋ちゃん⁉」


 加恋ちゃんの様子がおかしい。