「加恋ちゃんが言っていた『来年の今頃は、ここにはいない』……この言葉が何か関係があるの?」


「……優くん……」


「ねえ、教えてよ、加恋ちゃん。時期が来たら言うって言ってたけど、今じゃダメなの?」


「優くん……」


「僕、加恋ちゃんからその言葉を聞いたときから、できるだけ頑張って気にしないようにしようと思ったけど、やっぱり無理だよ」


 そんなこと初めから無理だった。


「僕は、どうして加恋ちゃんが『来年の今頃は、ここにはいない』って言ったのか、ずっとずっと気になってた」


 もうずっとずっと。


「僕は……加恋ちゃんが来年も再来年も何年も何十年もずっとずっと一緒にいてくれるのなら一生友達でもいいと思ってた」


 本当にそう思っていた。


 ……でも……でも今は……。


「……でも……今は……僕は……加恋ちゃんのことを……誰にも渡したくない……」


 僕だけの加恋ちゃんでいてほしい。

 そして僕だけを見てほしい。


「僕は……僕は加恋ちゃんのことが…………好きだ…………」


「……優くん……」


「加恋ちゃん……どこにもいかないでほしい……」