僕が気に入っている秘密の場所の景色を加恋ちゃんと一緒に見ることができる喜びを感じていた。
今、こうして加恋ちゃんと一緒に同じ景色を見ている。
それは僕にとって、とても大切でかけがえのないもの。
僕は大切にしたい。
加恋ちゃんとのこの時間を……。
「優くん、ありがとう。こんなにも素敵なところに連れてきてくれて」
「こちらこそありがとう、この場所に一緒に来てくれて」
「優くん……」
加恋ちゃんは向日葵のような笑顔を見せた。
僕は、そんな加恋ちゃんの笑顔に見とれていた。
「優くん、風が気持ちいい」
加恋ちゃんはそう言うと、自然が広がるその場所を歩き出した。
一歩また一歩、淡い水色のワンピースをやさしく揺らしながら加恋ちゃんはその周りを歩いた。
加恋ちゃんが歩くその姿は美しい花のようだった。
「優くんもこっちにおいでよ」
僕を呼ぶ加恋ちゃん。
僕は加恋ちゃんの呼ぶ声に引き寄せられるように加恋ちゃんのもとに行く。
「優くん、わたしのことつかまえてみて」
無邪気な笑顔の加恋ちゃん。