「……怖い……?」


「う~ん、加恋ちゃんがお化け屋敷に入るのが初めてだとしたら怖いかもしれないね」


 僕がそう言うと、加恋ちゃんはぎゅっと僕の腕にしがみついた。

 その様子がものすごくかわいい。


「大丈夫だよ。僕がついてるから」


「優くん……」


 加恋ちゃんは僕の腕にしがみつきながら純粋な眼差しで僕のことを見つめた。


「でも無理はしなくていいよ」


「うん……」


「加恋ちゃんが入れそうなら一緒に入ろう」


「優くん……」


 加恋ちゃんは少しの間、考えていた。


 そして……。


「優くん……わたし……入ってみる」


「加恋ちゃん……」


「わたし、お化け屋敷に入ってみる」


 加恋ちゃんは勇気を出してお化け屋敷に入ることを決めた。


「うん、わかった、一緒にお化け屋敷に入ろう」


「うん」


 こうして僕と加恋ちゃんは、お化け屋敷に入ることにした。


 お化け屋敷に入った、僕と加恋ちゃん。


 加恋ちゃんは怖がっている様子だった。

 そして僕の腕にしっかりとしがみついていた。

 僕は加恋ちゃんに「大丈夫だよ」と、声をかけた。


 僕は加恋ちゃんに声をかけながら、もう一つ頭の中で思っていることがあった。