「優くん」


 すると加恋ちゃんが僕のことを呼び止めた。


 僕は加恋ちゃんの方を振り返った。


「はい、優くん」


 加恋ちゃんが僕に渡そうとしていたものはチョコレートだった。


「ごめんね、なかなか渡せる機会がなかったの」


「……加恋ちゃん……」


 僕は感動し過ぎてこれ以上、声が出なかった。


「優くん?」


 そんな僕の様子に加恋ちゃんは不思議そうな顔をしていた。


 僕は、なんとか声を出さなければ……そう思った。


「……ありがとう……加恋ちゃん……」


 僕は、やっとのことで声を出した。


 そして僕は加恋ちゃんからチョコレートを受け取った。


 加恋ちゃんがくれたチョコレートはピンクのかわいいラッピングがされていた。

 結んであるリボンもとてもかわいい。


 僕は加恋ちゃんからもらったチョコレートをジッと見ていた。


 そしてあることを思った。