「加恋ちゃん」


「なぁに、優くん」


 笑顔の加恋ちゃん。


「今からどこに行こうか」


 僕は一秒でも長く加恋ちゃんといたい。


「優くんはどこか行きたいところある?」


「加恋ちゃんが行きたいところでいいよ」


 僕がそう言うと加恋ちゃんはジッと僕の方を見つめた。


「わたしが行きたいところでいいの?」


 遠慮気味に訊く加恋ちゃん。


「うん、もちろんだよ」


 僕は即答した。


 僕が即答して少し安心している様子の加恋ちゃん。


 そして加恋ちゃんはどこに行きたいか考え始めた。

 そして……。


「……また映画でもいい?」


「うん、いいよ。観に行こう、映画」