「……わたしも……優くんと離れたくない……」


 それなら……。


「……僕は……このまま加恋ちゃんのことを連れていってしまいたい……」


 このままどこまでも遠くへ……。


「……わたしも、ずっと優くんと一緒にいたい……」


 二人だけの……。


「……加恋ちゃん……」


 誰もいないところへ……。


「……このまま二人でどこか遠くへ行かない……?」


 加恋ちゃんのことを誰も手の届かないところに連れていって僕だけの……加恋ちゃんのことを独り占めしたい……。


「……優くん……」


 わかってる……。


 そんなことを言ったら、また加恋ちゃんのことを困らせてしまう……。


 ……でも……。


 ……でも……止められない……。


 ……僕は……。


 僕は加恋ちゃんと離れたくないんだ……。


「……優くん……」


 何も言わないで加恋ちゃん……。


 せめて今だけ……。


 今だけは、こうしていたい……。